試験の目的

心不全は、一旦は改善して退院可能な状況となりますが、何度も入退院を繰り返す進行していく病気であることが知られていますが、長期的な予後(状態が改善するか、もしくは悪化するかの見通し)を予測することが難しい病気の一つです。最近の調査から病状を予測するいくつかの方法が開発されています。本試験では、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)を必要に応じて設定し、病状の予後予測を行った結果を主治医に情報を提供することが、ACPに関わる診療へ及ぼす影響(主治医のACPの実施率や実施までの期間、患者さんの生活の質への影響など)について評価する探索的試験です。

試験内容

試験の規模と試験期間
全国4施設の病院で試験を実施します。
最大78名の患者様にご参加いただく予定です(試験の進捗状況によりましては、試験期間が延長される場合もあります)。
試験全体では、当センターの研究倫理審査委員会で審査を受け、承認を得てから2025年7月までの予定です。
患者様にお願いするご参加期間は、試験への参加にご同意いただいてから、48週となります。

有効性を評価する指標(主要評価項目)
主治医への予後予測情報の提供ありの患者様のグループ(「介入群」と呼びます)と提供なしの患者様のグループ(「対照群」と呼びます)で以下の項目を比較します。
この情報が提供されるか、否かは、コンピューターが自動的にそれぞれのグループに振り分けますので、患者様ご自身も主治医も決められないようになっています(無作為化割付と呼びます)。またこの予後予測情報は完全に正確な精度でないため、患者様にはお伝えすることができません。
予後予測情報提供が診療に与える影響を評価するため、どちらのグループに割り振られたかについても知ることができません。
・研究者側の評価指標:同意をいただいてから退院までの期間におけるACP導入開始率
・患者様側の評価指標:同意をいただいてから退院するまでの期間における質問票