Exploratory analysis of the effects of Advanced Care planning guided by the prediction program of heart failure prognosis on QUAality of life In patieNTs with heart failure (ACQUAINT-Trial)
心不全患者の客観的心不全予後予測情報がアドバンスケアプラニングに関する導入時期・患者QOL に及ぼす影響についての探索的試験
心不全とは
心臓は、全身に血液を送り出すポンプとして一日中休むことなく働いています。心不全は、動脈硬化や塩分の摂り過ぎなどが原因の高血圧、心臓の部屋を分けている弁の障害、心臓の筋肉や拍動のリズムの異常や心臓の筋肉を養っている血管(冠動脈)が詰まってしまったり、また先天的な心臓の病気など様々な疾患が原因となって引き起こされる心臓の機能が悪くなって症状が出現した状態をいいます。
アドバンス・ケア・プランニングとは
誰でも、いつでも、命に関わる大きな病気やケガをする可能性があります。命の危険が迫った状態になると、約70%の方が、医療やケアなどを自分で決めたり望みを人に伝えたりすることが、できなくなるといわれています。
万が一のときに備えて、患者様本人がどのような医療や介護を望んでいるかについて、ご自身で考えたり、ご家族または近しい人、医療者や介護者と話し合うことを「アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning;ACP)」(事前医療・ケア計画)といいます。 このACPは、厚生労働省の愛称として「人生会議」と呼ばれています。
患者様ご本人がご意思を伝えられなくなる前に、信頼できる人々と人生の最終段階における希望を話し合うことで患者様本人の意思を尊重することができます。
この試験について
ACPは、癌などの疾患に対する終末期医療として発達してきましたが、最近では循環器疾患や呼吸器疾患など生命を脅かすすべての疾患に対して考慮すべきものとされてきています。身体的だけではなく、心理社会的な苦痛などの問題を早期に発見して、的確な評価と対処を行うことによって、苦しみを予防し和らげ、生活の質( QOL)を改善することの必要性が世界保健機関(WHO)で提唱されています。従ってこの試験を実施することで、ACPに対する適切な情報を発信していくことができると考えております。